3号に寄せて(荻上チキ)

  • 「α-Synodos vol.3」
今号は、1号に続き、小山エミさんに論考をお寄せいただきました。前回寄稿していただいた論考は、小山さんのブログでも紹介され、たちまち大きな反響を呼びました。今号はそれの続編にあたります。橋本さんのセミナー、小山さんの論考、芹沢さんのコラムを合わせて読むと、人はいかに複雑に「合理化の症例」を抱えているのかがよく分かります。「端的な不幸」を社会が全てすくいとることは不可能。全ての傷を癒すことは出来ないが、それをリスクやアーキテクチャの問題が「重ね描き」されることにより、さらなる問題を生んでいくという構図を「打ち止め」にすることは難しいのかもしれません。

大谷能生さんのインタビューと西田亮介さんの論考は、今号ではやや異色の内容になっています。大谷さんからは批評と表現のスリリングな遭遇について伺い、西田さんには湘南のビーチマネーの事例紹介を元に、自生的な地域通貨のあり方について吟味していただきました。ここ数十年の思想的トレンドでは、様々な「都市」「方法論」に焦点をあてることによって、濃密化の一方である種の狭い前提を頼りに構築される言説も少なくなかったわけですが、今後、様々な地域や表現の試みを紹介しつつ、既存の思考の枠組みを問い直しつつも積極的なアプローチを展開していくようなケースが露出してくることに期待させられます。その意味で、今号に合わせて掲載できたことは意義深いことではないでしょうか…と自画自賛してみるスレ。

次号は橋本努さんの参加されたセミナーの後半の模様をリポート。飛び入りゲストに鈴木謙介さんを含む、非常に濃いディスカッションが行われました。その他、シャンタル・ムフの翻訳記事、および連載やレポートを掲載予定です。

というわけで次号の「αシノドス」もよろしくどうぞ!



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