ギリシア語で「集会」の意をもつシノドス

には、「惑星の合」や「ともに

道

を行く」という意味があります。別々の軌道を移動する惑星や、別々の道を行く人びとが、或るとき或る場所でその道を交差させること。わたしたちは、主義主張や専門のちがいとは無縁に、まずは互いの存在を交差させ、ひととき道を共にし、互いのあわいに生じる触発の出来事に身を委ねます。シノドスとはまた、戦争でもありセックスでもあります。それは、エロスとタナトスという欲動のうちで、人びとが自らの境界を他者と融かしあう場所であるかもしれません。わたしたちはこの場所に集うことで、互いの知と記憶のうえで道を共にし、諍い惹かれあいながら、再び別れてゆくでしょう。いずれまた互いに別の軌道、別の道を行くにしても、こうした遭遇の後では、集う前にはありえることのなかった新たな変化が互いのなかに兆しているにちがいありません。シノドスは、日々新たに生成する集いをつうじて、わたしたちが生きる〈現在〉を明らかにすることを目指す歓待の場なのです。(山本貴光)